こんにちは!再生建築プランナーのトモノンです!
リノベーションやリフォームを簡単にご説明すると、「既存の建物を利用して新たに造り変える建築工事」となりますが、そこには「リサイクル」や「リユース」といった意味合いも含まれています。
今回は築48年になる平屋住宅をリノベーションした際に、そこに使用されていた装飾材を再利用し、オリジナルのベッドサイドランプに「リメイク」したストーリーについて、ご紹介してまいります!
1.Prologue
そんな日本建築特有の和室が隣接する「続き間」の境界となる「間仕切り壁」には、「欄間」と呼ばれる襖と天井の間に設ける建具があり、通風や採光を考えて設計された開口部となります。
また、その欄間に彫刻や組子などを施し、「室内装飾」として住まいの品格をデザインしていました。
お客様からは「使い様が無ければ無理して使わなくていいのですからね♪」と言われたものの、ここはプランナーとして簡単に「はいそうですか♪」とはいきません!(笑)
2.Production
結局、機械でも人の手でもバラバラになってしまう状態に開き直り、だったら乖離したパーツを新たに組み直し、欄間のリメイクと共にその組合せデザインもリニューアルしようと発想を転換!
因みに、写真でお気づきかもしれませんが、製作しているのは欄間装飾を活かした「ランプシェード」となります👍
因みに、作業しているのは私ではなく代表である相棒となり、丸っこい手をしていながら手先が器用で、こういった細かい作業も職人並みに仕上げていきます👏
最初はその当時のままでリメイクしようと考えて製作をスタートし、それが出来ない状況に陥った際には一度諦めかけましたが、だったら「過去に拘らず新たに組み直そう!」と、発想をリニューアルしました✌
3.After
昭和の日本建築から現代の建築デザインに再生する中で、今回の素材を仕上げ材として内装コーディネートする考えに至らず、だからと言ってそのまま使わずに廃棄するには短絡的で再生建築のコンセプトに反すると思い、だったらインテリアアイテムとしてリメイクしよう!と発想転換し、このようなかたちに生まれ変わった次第です。
尚、今回製作した照明は「ベッドサイドライト」となり、ご夫婦それぞれにつ1ずつの計2つ製作し、心ばかりながらプレゼントさせていだだきました🎁
リメイクに関しては最後まで内緒にしており、お引渡しの際にサプライズも兼ねてお披露目となったのですが、最初の現地調査からだいぶ時間が経過していたため、要望していたこと自体を忘れていて、「あー!そう言えばぁ‼」と思い出したうえで大変喜んでいただきました♪
その見た目はもちろん、耐震や断熱性といった住宅性能も新築同等に再生されました👍
リノベーションによりその姿かたちが刷新される中で、過去の家の思い出を残しながらデザイン出来る点においては、新築住宅にはない魅力の一つといえます!
まとめ
古い住宅においては、現在では手に入らない建材が使用されていたり、再現の難しい装飾が施されていることがあり、アイデアをもってリメイクすることでリサイクル・リユースが可能となり、住宅をはじめ、そうして再生された商品やサービスには新たな価値が生まれ、オリジナリティ溢れる魅力的なプロダクトとなります。
古くなったからといってスクラップすることは簡単ですが、その時代を以ってして生まれた造形やデザインはとても貴重であると共に、現代で再現するには技術的な要素も含めコスト面でも困難であり、そんな日本建築のレガシーをどう捉えてどのように取り扱うかは、再生建築に携わっている人達の手に委ねられている中で、今回の記事のようなかたちで照明器具にリスタイルし、お客様に喜ばれる選択をすることが大切だと個人的に思っています✌