こんにちは！再生建築プランナーのトモノンです！
中古物件を購入する際やリノベーション・リフォームする際に、特に建物の築年数が古く老朽化が進んでいる場合、「本当に再生が可能なの⁈」と疑問に感じたり、心配や不安になる場合はありませんか？
特に地震の多い日本においては、中古住宅における耐震性が懸念され、建物がどういった状態にあるのか、事前に知りたい方も多いかと思います。
今回の記事では、そんなご要望に応え心配や不安を解消してくれる「ホームインスペクション」について、わかりやすく解説してまいります。
1.ホームインスペクションとは？
ホームインスペクションは、第三者の立場から客観的な目で建物を評価し、劣化の状況や問題点、改修が必要な箇所、そして、その時期やおおよその費用などを報告する「住宅診断」の専門業務です。
これは、あらゆる建物に対して行われることがあり、米国を始めとする多くの国では、不動産取引において「ホームインスペクション」は一般的なものとなっています。
また、その業務を行うのは住宅に精通したホームインスペクター（住宅診断士）となり、具体的には、日本ホームインスペクターズ協会による民間資格を取得した方となります。
このような「住宅のコンディション・健康チェック」を目的としたサービスは、中古住宅の取引においては2018年4月から義務化され、その需要が高まっています。
そんなホームインスペクションは、中古住宅取得時のみならず、リノベーションやリフォームといいた再生建築を行う際にも効果的で、主に建物の「構造耐力上主要な部分（基礎・土台・柱・梁など）」や「雨水の進入を防止する部分（屋根や軒裏など）」をはじめ、調査会社によってはオプションとなる場合もありますが、「給排水管の水漏れや排水不良」や「床下のシロアリ検査」も調査してくれるため、瑕疵にあたる工事について的確な改善・対策が可能となります。
また、その状況によっては工事費用が高額になったり、コンディションが悪すぎて工事が最適ではなかったりと、そもそも中古物件をリノベーション・リフォーム出来るのか否か・するべきかやめるべきかの判断材料にもなります。
中古住宅の購入時のもならず、自己所有の中古物件をリノベ・リフォームする際のホームインスペクションも重要です。
2.ホームインスペクションの重要性
ホームインスペクションは、建物の健康状態を把握するために非常に重要であり、ホームインスペクターは、一般の方では確認不可能な箇所を含め、建物全体を徹底的に調査し、劣化や損傷の兆候を見つけ出します。
それと共に、継続的なメンテナンスが必要な場所や、将来の修繕が必要な箇所を特定することにより、所有者が建物の状態を正確に把握することができます。
何故なら、普段は目にすることのない隠蔽部における「配管の漏れや電気系統の問題」、「シロアリ被害」など、潜在的なリスクや安全上の問題を特定することにより、所有者に対して早期の対処を促すことが出来るからです。
これにより、重大なトラブルの発生を未然に防ぐことが可能となり、不動産取引においては信頼感を与える大切な要素であることはもちろん、中古物件をリノベーション・リフォームするうえでも安心感を得られる要素となります。
ホームインスペクターによる住宅診断は、現況のみならず将来的なメンテナンス・修繕箇所についても特定されるため、その費用も含め早い段階での対応が計画しやすくなります。
3.インスペックションの流れ
- 見積もりと申し込み
自分の希望する条件や予算を相談することができます。 - 実施内容・日時の決定
インスペックションの具体的な内容や、その時に立ち会うことができるかどうかなどを確認することができます。 - インスペックションの開始
大まかな外観から細かな部分まで、住宅全体を細かくチェックし、その際に見つかった問題点は、しっかりとレポート化されます。
このような流れで、インスペックションは進んでいきますが、自分自身でチェックすることはできない場所や、見落としがちな部分までしっかりと調べてもらうことで、住宅の良し悪しを客観的に把握することができます。
先ずは正確な住宅の状態を知ることで、その先の計画や選択において、正しい判断をすることが出来ると思います。
ホームインスペクションについては、一定の調査費用が掛かるため、相談する調査会社に依頼したい調査内容を伝え、事前に見積りを取るようにしましょう。
4.ホームインスペクションの適用範囲
ホームインスペクションの結果をどのように活用し、修繕が必要な箇所とその費用の見積りはどのように行われるのでしょうか？
まず、ホームインスペクションの結果を活用する方法についてですが、報告書には「建物の劣化状況」や「不具合の有無」、「改修すべき箇所」、「おおよその費用」などが記載されており、これらの情報を基に、建物の健康状態を把握することができます。
例えば、修繕が必要な箇所を事前に把握することで、将来的な費用や手間を予測することができ、ホームインスペクションの結果を購入者や買主に公開することで、取引の安心感を高めることもできます。
次に、修繕が必要な箇所とその費用の見積もり方法についてですが、報告書には修繕が必要な箇所やその費用（見積り）が詳細に書かれているため、必要な修繕やリフォームの費用を把握することができます。
そして、ホームインスペクションの結果をもとに修繕やリノベーション・リフォームを行う際には、信頼できる業者を選ぶことが重要となり、しっかりとした建築知識と技術を持って適切な処置のできるホームドクターに依頼するようにしましょう。
ホームインスペクションは、調査を依頼しその報告書を確認して終わりではなく、その結果の応じて適切な修繕や対応をすることが重要です。
5.ホームインスペクション会社を選ぶ際のポイント
ホームインスペクションの信頼性は、インスペクターの知識や経験が重要で、業界実績のある会社や、公認されているホームインスペクション協会に所属している会社を選ぶことが安心です。
それと共に、ホームインスペクションの報告書の内容やアフターサポートの提供も重要なポイントで、詳細な報告書とわかりやすいアドバイスを提供してくれる会社を選ぶことがオススメです。
中には、インスペクターの知識や経験不足により、欠陥部分の見落としがあったり、住宅会社の不利益なならないように、欠陥について報告しないといった悪徳業者もいるため、調査依頼を検討している会社のホームページを閲覧したり、評価や評判を事前に調べるといいでしょう。
また、不動産業者が勧めるインスペクターに頼ってしまうと、中立で正確な検査を受けられない場合もあるため、注意が必要です。
他にも、インスペックション料金は、地域や物件の大きさによって大きく異なり、極端に安いところは信頼性に欠ける可能性があり、高すぎるところは過剰な費用となってしまうため、複数の調査会社に見積りを依頼し、相場と比較することで適正な価格を知ることが大切です。
ホームインスペクションを依頼する際には、その調査項目や方法、報告書の内容やアフターフォローなど、出来れば1社のみならず、他にも2～3社話を聞いてみましょう。
6.ホームインスペクションのメリットとデメリット
建物の健康状態を把握することは、ホームインスペクションの最も大きなメリットの一つです。ホームインスペクターがあなたの家を徹底的に調査し、建物の健康状態や潜在的な問題を特定することで、将来的に発生する可能性のある修繕や改修の必要性を、事前に把握することができ、それにより、将来的な費用や手間を省けることが出来ます。
さらに、ホームインスペクションの結果をもとに、建物の具体的な状態を把握することで、買い手側も売り手側も安心感を得ることができるため、売り手は建物の良い面をアピールし、買い手は潜在的な問題を避けることで、お互いに不動産取引における大きな投資へのリスク回避にも繋がります。
中古物件をリノベーションやリフォームをする際には、調査結果をもとに適切な工事を行うことが出来るため、安全で安心な住まいづくりを促進し、その建物における資産価値も高めてくれます。しかし、ホームインスペクションにはデメリットもあり、調査を依頼するにあたりその費用負担と時間が掛かります。
そういった面では、ある程度の予算と時間を確保する必要がとなり、その結果によっては修繕によるメンテナンス費用も用意しなければなりません。
ですが、これは将来的なリスクを回避するために必要なことでもあり、その負担は将来的に十分に回収できる可能性があり、正しい情報と計画を持って利用すれば、建物の健康状態を把握することで多くの恩恵を受けることができます。
ホームインスペクションはデメリットもありますが、正しく利用すれば、メリットはそれを補って余りある恩恵を受けられるはずです。
まとめ
中古物件の不動産取引においては、もはや必須となっているホームインスペクションですが、リノベーションやリフォームを検討している建物にも有効活用でき、建物の正しい状態がわかることで、適切な修繕やメンテナンスをすることができ、健全で安心安全なリノベーション・リフォーム住宅に再生建築が可能となります。
もちろん、少なからずデメリットもありますが、正しく利用することでそれ以上のメリットを受けることが出来ますので、ホームインスペクションをご検討中の方は、今回の記事を参考にして頂ければ幸いです。
