こんにちは!再生建築プランナーのトモノンです!
この記事ではリノベーションにおける基本的な流れについて、順を追ってわかりやすくご説明してまいります☝
その手順におきましては、各々の会社ごとでプロセスが違ったり、「建築業のみ」・「不動産業も兼業」している会社とでも変わってきますので、あくまで基本例としてご参考いただければ幸いです。
因みに、今回は「不動産業を持たないリノベーション会社」を例に、基本フローをご紹介してまいります。

今回の基本的な流れにつきましては、現在私が在籍しているリノベ会社(不動産業なし)を元に、トモノン的解説でお送りしていきます♪
step1.ヒアリング/ご相談・ご希望・ご要望
先ずはリノベーションをするにあたり、物件や工事に関わることについて、しっかりと聞き取りを行うことからスタートとなります。
リノベーションのはじめの一歩はヒアリングとなりますが、具体的にどんなことについて聞き取りを行うのか、基本事項を3つに絞り下記にまとめました。
ヒアリング3選
リノベーションを計画するにあたり、顧客情報はとても大切な情報となり、プランニングをするうえで必要不可欠です。
逆に、その情報量が少ない状態で設計やプランニングをしても、満足のいくリノベーションは皆無だと言っても過言ではありません。
家族構成や職業を聞いただけでも、ある程度のライフスタイルが想像できる中で、実際の普段の暮らしぶりを聞き取り、より詳しく顧客情報を把握することで、より良いライフデザインやリビングプランに繋げていきます。
実際にリノベーションを検討している物件の情報は、特に工事の面でとても重要な情報となります。
例えば、敷地や建物の大きさは予算に大きく関わり、築年数や構造によってはそもそもリノベーション実行が出来るのかどうか、ヒアリングの段階である程度判断できる場合もあります。
特に物件の購入を検討中の場合は、購入すべきか否かのアドバイス出来ることもあり、ユーザー様からのご依頼があれば、内覧の同行も可能です。
リノベーションをするにあたり、どんな暮らしを望みどんな住まいしたいかといったご要望は、言うまでもなく重要な情報であり、ここでのヒアリングがユーザー様とのコミュニケーションも含め、しっかりと出来るかどうかでその後の展開を左右するほど、大きなポイントとなります。

ユーザー様は、上記のヒアリング3選をご参照いただき、具体的で間違いのない情報を的確に伝えることで、その後の展開もスムーズに進んでいきやすいくなります。
step2.物件の現地内覧・調査・点検
ヒアリングだけでは把握出来ないところは、実際に現地に足を運び調査する必要があり、事前に聞き取りした内容も頭に入れながら、プロの目でしっかりと確認していきます。
リノベーションの流れステップ2は、実際の物件の内覧をはじめ外観や敷地、周辺状況も含め調査・確認を実施します。
よくあることの一つに、ユーザー様から聞いていたことや図面と現地状況に相違があったり、ヒアリングの時点では不明だった点が現地訪問により判明したりと、やはり「百聞は一見に如かず」で、その後に繋がる設計やプランニングも想定し、細かくチェックしていきます。
又、特に築年数の古い建物については、屋根の雨漏れや床下のシロアリは発生等の瑕疵について、専門の資格を持った建築士に「インスペクション」を依頼し、建屋の点検を実施する場合もあります。
古いマンション等の集合住宅においては、老朽化した給排水管は漏水しやしすい状態にあることが多く、事前調査や水道配管工事を計画しなかったことにより、工事中や工事後に漏水が発生し下の階の方からクレームが入り、大きなトラブルに発展する可能性もあるため、隠蔽部における調査・点検は非常に重要となります。
それ以外にも、現地が狭小地で道路も狭く、工事車輌や重機が進入できないといった周辺の環境により、工事自体が難しい場合や工事は可能でも手間や時間が掛かることにより、費用がかさむ場合もあるため注意が必要です。
そういったこともあり、現地調査は一度のみならず必要に応じて複数回を行い、しっかりと現状を把握してから次のステップに進みます。

現地調査だけで建物の状態が100%明確になるわけではありませんが、蓄積した知識や経験を活かしながら、プロの目でしっかりと見極めていきます。
step3.設計・プランニング
現地調査が終了すると、その結果も含めリノベーションにおける設計・プランを作成し、完成後プレゼンテーションになります。
設計・プランニングの際は建築CADを使用し、先ずは間取りや動線が分かり易い平面図で、ベースとなるプランを作成します。
プラン完成後、一度目のプレゼンテーションを行い、そこからユーザー様と検討協議を重ねながら、徐々にベストプランに近づけていきます。
私の場合は、平面プランがある程度固まると建築CADで3Dパースを立ち上げ、平面プランを立体的に見ていただくことで、2Dでは想像することができないリアルな空間が可視化され、リノベーション後の暮らしをイメージしやすいプレゼンテーションを行っております。
それにより、相互において確実なプランの把握と確認ができ、訂正や変更があれば都度プランを修正することで、最終的に完成した際にユーザー様の満足度の高いリノベ住宅を目指します。
【平面プランの一例】
【イメージパースの一例】

プランの良し悪しはその後の暮らしに直結してきますので、納得がいくまで協議検討を重ね、イメージパースで確認しながらベストプランを完成させましょう。
step4.仕様決め・積算見積り
リノベプランがまとまったら、住宅設備機器や建具、内外部における仕上げ材等の仕様を決め、それを元に工事費用の積算見積りとなります。
リノベーション工事における仕様決めにおいては、多種多様にありますで、代表的な一例を下記にまとめました。
仕様決めの代表的な一例
この時点で見積り金額が予算と乖離している場合は、キッチン等の住宅設備のグレードやオプションの見直しを図ったり、内外装の仕上げ材を変更したりと、予算に合わせた工事とするため、場合によっては工事内容の変更も含めプランの修正を図ることもあります。
又、発注前や納期等問題がなく、工事に影響の出ない場合は後からの仕様変更も可能ですので、金額も含め仕様決定に迷い進まないという時には、この時点では仮決定しておくとよいでしょう。
設備や建材のコスト配分を図りながら、工事内容も含め必要十分な事柄を精査し、最終的に予算に納まるよう検討していきましょう。

工事費用が予算を上回る場合は、リノベーションにおいて「こだわりたいところ」と「妥協できる部分」を精査し、予算の調整を図ることも必要です。
step5.ご契約・各スケジュールのご説明・ご確認
リノベプラン並びに工事金額にご納得し、ユーザー様・建築会社の双方が合意に至った際には、工事ご契約となりますが、それと共にご契約後からお引渡し日までの期間における、各スケジュールについてもご説明し、工事時期や期間についても問題がないかを確認します。
工事のご契約を経て、いよいよ本格的なリノベーションがスタートとなりますが、工事着工迄には取り決めした工事代金をのご入金や、工事期間中仮住まいする場合はお引っ越し作業、住みながら工事する場合でも、工事場所の家具や家電の移動や片付け・不用品の廃棄処分等、ある程度の工事前の準備期間が必要となります。
工事が始まると各種工事の工程に合わせ、住宅設備機器や建材を工事に遅れが出ないよう順次発注していくため、全段階の「仕様決め」で商材やカラー等決定に至っていないものに関しては、発注期限に遅れないよう注意が必要です。
又、内外装におけるインテリアデザインについても、時間に余裕を持って打合せを進めていくことで、「検討する時間が少なくて、思い通りのデザインに出来なかった」といった失敗も防げます。完成後は入居に伴う仮住まい先の退去作業や、家具や家電の生活用品の搬入等、お引渡しの時期がいつになるのかが重要となり、お引渡し日が絶対に遅らせられない場合は、「全体工期に無理はないか・ある程度の余裕はあるか」を確認しておく必要があります。
もちろん上記のスケジュールについては、ご契約会社の方から事前に説明と確認があるので、余計な心配はいりませんが、説明や確認不足に不安におを感じたり心配な場合は、しっかりと質問し確認することをオススメします。

リノベーション工事の特性上、想定外のことによる追加工事や、施工していく中でより良い造りにするため変更工事が発生したりと、工期通りとならないケースも多いため、ある程度余裕のあるスケジューリングが必要です。
step6.リノベーション工事の実施
工事日程が決定すると、いよいよメインとなるリノベーション工事がスタートとなります。
リノベーション工事においては、「購入した物件や相続した建物」「工事期間中は仮住まいに一時的に引っ越す」「敷地内にある小屋などの建屋を仮設住宅として利用する」等、住人がいない状態で工事する場合と、「仮住まい先が子供の学区内に限定され見つからない」「短期契約での賃貸物件がない」「高齢のため引っ越し作業が負担となり難しい」等の理由から、住みながら工事をする場合があります。
基本的には、前者での工事が望ましいですが、先の理由によりどうしても住みながらの工事となる場合は、工事内容や工程的に問題ない際には実行可能ですが、技術的に難しく作業に支障きたす際は工事不可能となる場合もあるので、早い段階で相談・確認をしておきましょう。
住みながら工事する場合は、日中在宅してる方は常に工事音が状況になるため、長い工事期間であればあるほど、心的ストレスが掛かってきます。
又、キッチンやお風呂、トイレや洗面室のと水廻り工事をする時には、一時的にそれらの住宅設備が使えない期間が発生するため、不便な生活を送ることとなります。
そういったデメリットにおいては、頭では理解できていたとしても、実際に体験すると予想以上に大変に感じ、それが不満に変わってくる方もおられるため、どうしてもそうしなければならい理由がない場合以外には、個人的にはオススメできません。
但し、デメリットだけではなく、「工事過程が常に確認できる」「現地での打ち合わせがしやすい」等のメリットもあるため、依頼する建築会社や担当者にも相談し、最終的にどうするか決定しましょう。

住みながらの工事の場合は、通常より工事期間が長くなり費用も余計に掛かるといったデメリットもあるので、そういった面も含め最良な選択をしてください。
step7.工事完工・お引渡し
工事が無事に完了すると、物件のお引渡しとなります。
予定していた全ての工事作業が終了すると「工事完工」となりますが、その工事に問題が無いか確認が必要です。
「住宅設備の運転・動作確認」「玄関ドア・室内建具・窓の開閉動作確認」「内外装における仕上り」「工事箇所の傷・破損・汚れ有無」等々が、主な確認項目の一例となります。
もちろん建築会社の方でも確認しますが、その時には気付かなかったり、身を落としがある場合もあるので、しっかりと自分でも一度確認することが大切です。
特に傷やヘコミといったクレームは、「工事中に付いた」ものか、「引っ越しや家具等の搬入の際」に付いたのか、若しくは「普段の生活の際に付いた」可能性も出てくるため、場所によってはその判断が難しくなり、建築会社に言いづらくなるなんてこともあるため、完成後の確認を怠らず、気付いたクレーム箇所に関しては、引き渡し前に手直し作業や工事依頼するのがベストです。
ただ、中には住み始めてから気付いたり、不具合が発生するケースもあるため、その際は放置せず、直ぐに建築会社に連絡し確認してもらいましょう。
完成確認後、手直し等も含め問題なく全てが納まった際には、物件のお引渡しとなります。
お引渡し後は、当然ですが建物へ自由に立ち入りは出来なくなり、その後は定期点検等のアフターフォローでご訪問させていただきます。
また、追加や変更による増減費用も含め、最終的な工事残金ついては、お引渡し後にご精算することになります。

リノベーションに限らず、建築時は木材や建材が水分を含んでおり、人が生活することによりその水分が一定量蒸発して抜けるため、その影響により壁紙クロスに隙間が出来てきたり、木製建具のドアや引戸の建付けが悪くなったりすることがあります
まとめ
リノベーションのおける始まりから終わりまでの流れを、ポイントごとに7段階に分類して解説してきましたが、今回の記事はこれまで経験と、現在のリノベプランナーとしての業務を元に書いておりますので、これが全てではありません。
あくまで基本フローの一例として、下記のフロチャート表もご参照のうえ、リノベーションをご検討している方のご参考になれば幸いです。
【トモノン的リノベーション基本フローチャート】
リノベフロー | 要約ポイント |
step1.ヒアリング/ご相談・ご希望・ご要望 | リノベするにあたり考えや思いをしっかり伝え、コミュニケーションの良し悪しは、業者との相性判断に。 |
step2.物件の内覧・現地調査・点検 | 物件はもちろん、周辺状況もしっかり確認。建物の状態によっては、「インスペクション」の実施も検討。 |
step3.設計・プランニング | 平面のみならず3Dパース等でプランイメージを確認し、納得がいくまで協議検討を重ねる。 |
step4.仕様決め・積算見積り | 予算内での工事を実現させるためには、必要・不必要な事項を精査し、コスト配分を考える。 |
step5.ご契約・各スケジュールのご説明・ご確認 | 工事迄の準備期間や、仕様が決定しないない商材・建材等の発注納期を確認・把握する |
step6.リノベーション工事の実施 | 「仮住まいを借りての工事」と「住みながらの工事」は、step2.の段階から要検討が必要。 |
step7.工事完工・お引渡し | 工事完工後は、その範囲において不具合や不備がないか確認し、なるべくお引渡し前に手直しを依頼する。 |
又、ここでのヒアリングにおいて、自分の希望をくみ取ってくれているか、要望を理解してくれているか、そういったコミュニケーションにおける安心や信頼感の大きさが、工事を依頼する会社を選定する判断材料にもなります。